…だから、キミを追いかけて

「航は……被害者なんだから……気に病まなくていいよ。全部……私の責任………」


必死で微笑む。
優しくできなかった分、反省と…感謝を込めて…。



「………ごめんね……命を…守れなくて………」


流れることを望んでしまった。
いつまでも、子供でいたいと思った。

ーーー怖かった。

航との未来を見つめていくのが……。


「夕夏……」

近づいてくる。
その歩みを、手で止めた。

「寄らないで!もう、終わりにしたでしょ!」




ーー私達は、サヨナラした。
あの日、全てを流した日に、それは決まったーーー。


「……もう…気にしなくていいから。私はここで生き直すって決めたから。…今まで……頼らせてくれてありがとう。…それでもう……十分だから………」


抱きすくめられる。
ぎゅっと腕に力が込められる。

絆される。

泣いちゃいけない。
私は……弱い人間だから………。


「頼らせてもらったのは僕だよ…。いっつも夕夏に……助けられた………」


頭の中に蘇る記憶。
出会いの日から…全部が……夢のようだった。


「……守れないでごめん……子供も……夕夏も……」


弱い自分を責める航の声に胸が締め付けられる。
悲しみが広がっていく。
誰のせいでもない……。


だけど……やはり……私達のせいだ…………。