…だから、キミを追いかけて



(同じだ……私と………)


何年も前から、きっと感じていた。
似たものを持つ人だ…って。

だから、私達……ずっと一緒にいた……。

頼り合って生きてきた。
付かず、離れず。

同じ距離を保ったままでーーー




歩き出した爪先で蹴飛ばされた小石が、彼の足元へと転がっていく。
視線が振り返る。
その寂しげな表情に、胸が疼いたーーー。



泣き出しそうになる。

多分自分も、同じ顔をしている。

目の奥が痛い。

鼻との間で、涙のかおりがする。



彼が近づいてきた。

伸ばした指先が私の手を握り、……歩き始めたーーー。





銅鑼のような響きを聞きながら松林の中を進む。
遊歩道の隅に飾られた竹筒の中に灯されるロウソクの火を頼りに歩く。

次第に人が少なくなっていく。

闇が広がり始め、ぎゅっ…と手を握った。



「どこまで行くの?」


怖くなって聞いた。
先の見えない不安から逃れたい気持ちもあった。

航の顔が振り向く。

私の表情を見て、辺りを見回した。



「ごめん。何も考えずに歩いてた……」

手を離す。

その場から逃げ出してもいいという意味にも取れた。


し…んと静まり返った静寂の中、一際大きな音が響いた。
ビクつき、空を見上げる。

黄金色に輝いた花火が、菊模様になって消え始めている。

幾つも幾つも、色を変え、花を変え……


重なり合って……消えていくーーーー