最初で最後ーーー
航との最後の日は、自分から「サヨナラ」を言った。
『一緒にいる意味が無くなった……』
……そう呟いた。
そもそも私達はどうして一緒に暮らしていたんだろうという気持ちになっていた。
航と一緒に暮らしていながら、自分にはその理由が見つけられなかった。
「好き」の意味も分からなかった。
「愛して、愛されて」いたのかさえも謎のままだった……。
惰性や習慣のような気がしてしまった。
あの瞬間、全ての感情が抜け落ちてしまった……。
(まただ……)
…激しい虚しさに襲われる。
軽い目眩がして、急いで路肩に車を止める。
…何もかもが嫌になる。
自分自身を呪いたくなる。
早く忘れて楽になりたい…。
その為に帰って来たのに……。
「うっ……うっ……ぐっ…ひっ……ぐっ……」
訳もなく涙が溢れる。
泣かずにはいられなくなって、そのまま暫くハンドルに顔を凭れた。
泣くと少しは楽になるかと思う。
…でも、心はますます重くなる。
鉛のように沈み込む。
這い上がれない。
海底に溜まった砂に足を取られて、溺れかけた時と同じ感覚になる。
怖い…。
どうしたらいいか分からない…。
ここは故郷なのに。
生まれ育った場所なのに………
航との最後の日は、自分から「サヨナラ」を言った。
『一緒にいる意味が無くなった……』
……そう呟いた。
そもそも私達はどうして一緒に暮らしていたんだろうという気持ちになっていた。
航と一緒に暮らしていながら、自分にはその理由が見つけられなかった。
「好き」の意味も分からなかった。
「愛して、愛されて」いたのかさえも謎のままだった……。
惰性や習慣のような気がしてしまった。
あの瞬間、全ての感情が抜け落ちてしまった……。
(まただ……)
…激しい虚しさに襲われる。
軽い目眩がして、急いで路肩に車を止める。
…何もかもが嫌になる。
自分自身を呪いたくなる。
早く忘れて楽になりたい…。
その為に帰って来たのに……。
「うっ……うっ……ぐっ…ひっ……ぐっ……」
訳もなく涙が溢れる。
泣かずにはいられなくなって、そのまま暫くハンドルに顔を凭れた。
泣くと少しは楽になるかと思う。
…でも、心はますます重くなる。
鉛のように沈み込む。
這い上がれない。
海底に溜まった砂に足を取られて、溺れかけた時と同じ感覚になる。
怖い…。
どうしたらいいか分からない…。
ここは故郷なのに。
生まれ育った場所なのに………

