「良うない良うない!そんならそうと、早う言うてよ!…ほらほら先輩!どうぞ、どうぞ!」

取り上げたビールのコップを返す。

ゲンキンなのは百も承知。呆れられたって、灯台には替えられない。


「分かりやすっ……単純……」

コップに持ち替えた波留が、ぐいっと一気飲みした。
空かさず2杯目を注ぎ、月の話を聞く。

「ねっ、今言っとった今年一番月が大きく見えるって、どういうの?」

「よー知らんけど……地球が月に一番近づく…とか、らしいぞ」

「……ってことは、クレーターなんかもよう見えるってこと⁉︎ 」

「…さぁ?……まぁそうなんやろうな…」


適当な返事をする波留はさておき、やっと灯台には上れそう。

満月の夜が楽しみ!
早くやってきて欲しい…!!