夜半過ぎから降り始めた雨を、窓越しに見ていた。
波の音が一際大きく聞こえる。
空に立ち込めた雲が、音を反響させるからだ。
夕飯を持ってきた母は、何も言わずに部屋を出て行った。
流産のことも、航のことも…聞いてこなかったーーー。
無言は一番辛い。
責めるなり、問いただされたりする方が、どんなに気が楽か……。
(でも…嘘ばっかついてた私だし……)
言うことを母が信じる筈がない。
流れてしまった命が息づいている時でさえも、生まれてこないで…と願ったくらいの自分だから……。
荒れる海の闇に、白い泡状の波が立つ。
繰り返し襲ってくる後悔と懺悔のようだ。
……あと何回、今日のような思いを繰り返せば幸せになってもいいのか。
それとも、もう2度と…幸せには巡り会えないのか……。
生まれようとした奇跡を疎かにした自分は、これからどうやって生きればいいのだろう。
笑って生きてはいけない。
だからって、泣いてばかりも嫌だ。
傷つかずに生きよう…と決めた…。
この町で…前を向いて………。
ーーー昼間のことを思い出した。
波留は…どうしてあんなに堂々と生きれるんだろう。
友達の妻に片想いをしたまま、告白もせず、思いも揺るがさず。
きれいな関係を保ったまま、「それが一番いい」と理解して……。
ーーー私なら…好きな人には振り向いてもらいたい。
ダメもとでも告白して、自分の気持ちを知ってほしい。
…けれど……
今日のように、隠していた事実を知って、相手が困るなら……
ショックを受けるなら……
(言えない……何も……)
押し殺している波留の気持ちが掴めたような気がした。
強いように見えても、波留だって同じ。
臆病になっている…。
恋愛に対してーー
澄良に対してーーーー
波の音が一際大きく聞こえる。
空に立ち込めた雲が、音を反響させるからだ。
夕飯を持ってきた母は、何も言わずに部屋を出て行った。
流産のことも、航のことも…聞いてこなかったーーー。
無言は一番辛い。
責めるなり、問いただされたりする方が、どんなに気が楽か……。
(でも…嘘ばっかついてた私だし……)
言うことを母が信じる筈がない。
流れてしまった命が息づいている時でさえも、生まれてこないで…と願ったくらいの自分だから……。
荒れる海の闇に、白い泡状の波が立つ。
繰り返し襲ってくる後悔と懺悔のようだ。
……あと何回、今日のような思いを繰り返せば幸せになってもいいのか。
それとも、もう2度と…幸せには巡り会えないのか……。
生まれようとした奇跡を疎かにした自分は、これからどうやって生きればいいのだろう。
笑って生きてはいけない。
だからって、泣いてばかりも嫌だ。
傷つかずに生きよう…と決めた…。
この町で…前を向いて………。
ーーー昼間のことを思い出した。
波留は…どうしてあんなに堂々と生きれるんだろう。
友達の妻に片想いをしたまま、告白もせず、思いも揺るがさず。
きれいな関係を保ったまま、「それが一番いい」と理解して……。
ーーー私なら…好きな人には振り向いてもらいたい。
ダメもとでも告白して、自分の気持ちを知ってほしい。
…けれど……
今日のように、隠していた事実を知って、相手が困るなら……
ショックを受けるなら……
(言えない……何も……)
押し殺している波留の気持ちが掴めたような気がした。
強いように見えても、波留だって同じ。
臆病になっている…。
恋愛に対してーー
澄良に対してーーーー

