…だから、キミを追いかけて

二人が出て行った後を、ぼんやりと眺める。


また独りになった…。
結局…どこへ行っても、私は独りだ……。


耳に通したピアスを外した。
こんな物をもらっても、航とやり直せる訳じゃない。

虚しいだけ…。
惨めなだけ…。


「…ふっ…ぐっ…うっ……ぐしゅっ……うっ…うっ……」

今更泣く必要もないのに涙が出てくる。
家族まで裏切って、自業自得なだけなのに……。


ベッドにうつ伏せる。
枕元に置いていたバッグの中から、ケータイのコール音が聞こえだした。


(誰……こんな時に……)


腹立たしさもあって、無言で電話に出た。



「…夕夏か?」

男性の声に顔を上げる。



「……波留?」

疑うように名前を呼ぶ。
驚いた。どうして波留が……

「熱下がったか?」

……なんだ…気にしていたのか…。

「…少しはいいよ……ありがと……心配してたん?」

辛うじて明るい声を出す。
涙の理由を聞かれても困る……自分が傷つくだけだ…。

「一応な。俺にも責任あるし…」
「…ないよ!何言っとるん…!」

浜辺でうたた寝していたせいじゃない。
航と別れたり、久しぶりに仕事して疲れたせいだって…。

「そんなの気に病まんとって……こっちが情けなくなる…」

波留にまで心配して欲しくない。……こんな自分…どうしようもない…。


「……何かあったんか?」

勘のいい質問。
気にするな…と言っているのに、お節介もいいところだ…。