…だから、キミを追いかけて

「……お母さん……」

泣かないで…とは、言えなかった。

悲しませるのは、百も承知していた…。


「毒になる」……そう思うからこそ、内緒にしていた…。


「……ごめんなさい……言い出せんで……」

本当なら、妊娠は喜ぶべきこと…。
だけど、私の場合は嬉しくもなかった……。


「……相手の人とは…こっちへ帰る前に別れた……私達……6年一緒に暮らしとった……」

祖母が驚いたように振り返った。
初めて教える。
今更、何を隠しても一緒だ……。

「…仕事も違う…。パソコンオペレーターじゃない…。お年寄りのいる…介護施設で働いとった……」

パソコンは簡単な仕事のみ。ほぼ、介護職員として働いた。

「……ごめん……嘘ばっかついて……秘密ばっか…作って……」


寄ってくる母に睨まれる。
振り上げられた右手に、きゅっと目を閉じた。


バシッ!!…と大きな音が鳴り響いた。

「美帆っ!お止めっ!」

祖母が取りなす。
母は目に涙を溜めたまま、私を睨みつける。

恐い顔…。
初めて見せる……母の本性だ……。


「この……親不孝もん!!」

怒鳴り散らす。
仕方ない…。

本当のことだから……。


「美帆っ!もうお止め!!」

祖母が私から離す。

泣き崩れながら母は、祖母に連れて行かれたーーー。