…だから、キミを追いかけて

「お前………」


波留が小さな声を上げた。

ぎゅっと肩を抱かれて振り向かされた。
ドキドキ…と心臓が鳴りだす。
片手が伸びてきて、ぺた…と、額を押さえ込んだ。


「…やっぱ!熱がある!」

叫びに近い声。……バレたか……。


「…気のせい!どうもないって!」

離れる。
マズい…。寒気がする…。


「良うない!バカ、何で早う言わんのや!」

手を引っ張って歩き出した。
でこぼこした貝塚の上を跨いで車に戻ると、波留は慌ててエンジンをかけた。


「……帰るの?」

残念そうに聞いた。

「…違う!キヨ等の店に行く!」

言葉少なく呟く。
不機嫌そうな顔。

あーあ…折角ご機嫌直っていたのに…。