「誰かさんが、な」

「しょうがないでしょっ!女子は大変なんだから」

頬を膨らませ、俺を睨むその仕草は可愛らしくまた意地悪をしたくなる衝動が駆け巡る。
だが今は出発しなければいけない。

「さっさと行こーぜ、日が出る前に船に乗るんだろ」

暁の言うとおり、俺達が向かう所は日が出ると入れなくなってしまうという不思議な島である。