いた。
その時の俺には理解できなかったが心の奥底で膨れ上がるような何かがあった。

ー冒険の匂いだ

そう確信した俺は幼馴染の雛乃と暁、冒険好き仲間の十夜を誘い出し今夜、碑成神社で集合することになった。
そして今、雛乃の支度が鈍いせいで集合時間を過ぎ急いで神社に向かっている。

「待ってよっ!理苑」

「誰のせいで遅くなってるんだよっ!!」

ヘトヘトと走っている雛乃の腕を掴んで猛