「それではよろしくお願いしますね。

白石さん。」

「ああ」

放課後。

俺は転校してきた初恋の相手である清水小毬の学校案内を任されていた。

本来なら昼休みの間にやるつもりだったのだが、急な生徒会の仕事が入ってしまいそれどころではなかった。

それでも、彼女は嫌な顔ひとつせず、寧ろ嬉しそうに微笑んでいた。

「それじゃあ最初は何処から案内しようか…?

清水さんは何処へ行きたい?」

「そう…ですわね……

音楽室は何処にありますの?」

「音楽室?

じゃあ、そこから案内してくな」

俺が歩き出すと後ろをトテトテとついてくる。

………可愛い。