「それにしても風邪?

やだねえー!俺に移さないでよね!」

「安心しろ。

お前は絶対風邪を引かないから」

その言葉を聞いた直後に煜が爆笑しだす。

…正直、ツボが分からない。

「あはははっ!

だよね!類とは長いことずっと一緒に居るけど風邪引いたところ見たことないもん」

「お前はちょくちょく風邪引いてるけどな」

「あはは…だよねえ……

身体が弱いから仕方ないよ」


少し顔に影を映して笑う。

…もしかして……

「もしかしてお前も風邪引いてんじゃねえの?」

「あ、バレた?」

「お前またかよ⁉︎

よし、2人を連れて保健室直行しまーす!」


は?

保健室?

「うわっ」

類は教室に聞こえるように大声で叫んでから、俺と煜の襟を掴んで引きずる。


…………こんのっ…馬鹿力‼︎

そのまま俺と煜を教室から連れ出す。

その時に教室の隅に呟く声は聞こえなかった。





「………………聡さん…」