「それじゃあ、白石くん。

彼女に色々教えてあげてね」

そう言って教室から出て行く担任。

彼女の席は、一番後ろの俺の後ろ。

俺と目が合った瞬間、嬉しそうに目を細める。

そして、嬉しそうに席に着く。

「白石聡(しらいし さとし)だ。

わからないことがあったら、クラス委員だから俺に聞いてくれ」

「ええ。

わかりましたわ。白石さん。」

俺が差し出した手を優しく握った。

その手は、氷のように冷たかった。

そして、その再会が俺のこれからを左右することとなることを俺はまだ知らなかった。