「随分早いんだな」

「あら?

聡さん。おはようございます」

教室に行くと小毬がいた。

まだ、他の人が来るまでは結構時間がある。

「聡さんもお早いのですね」

「ん?ああ。

生徒会の仕事とかあるし…教室の整備もあるし……で、いつも早く来ちまうんだよ」

「あら、流石ですわね!

それは素晴らしいですわ!

わたくしに手伝えることがありましたらなんでも仰って下さいな」

「ああ、助かる。

それより、なんでお前はこんなに早いんだ?」

勉強しているわけでもないし…

なにをやっているようにも見えない。

「ああ。わたくしは、前の学校の癖で…」

「癖?」

「ええ。

早めに学校に行かないと困ることが多かったので……」

そう言う小毬の目は、これ以上聞くなと、言っているようで……

どうして困るんだ?

そう聞こうとしたが聞くのを止めた。