「あっ!聡くん!」

「あー…どうも」

「相変わらず遊樹くんと妹ちゃんに尻に敷かれてんのか?」

「うっせえっすよ
尊さん」

学園を出た俺は帰ろうと思ったが、家の冷蔵庫の中がなかった気がして近くのスーパーに来ていた。

入り口で声をかけられて後ろを向くと相変わらずのヘラヘラした顔があった。

大代尊(おおしろ たかし)

去年卒業していった学園のOBで俺も仲良くしてもらっていた。

卒業と同時に一人暮らしを始めたらしくときどき此処で出会う。

その度に茶化されるけど……

「先輩にその口の聞き方はなんだー!」

「先輩って、先輩役立たずだったじゃないですか」

「おい!」

頭を掴まれて揺らされる。

あ……気持ち悪くなってきた…