「はあ……とりあえず病院で医者に怒られてくるわ」


抜け出したんだからそれ位は覚悟してたんだけどなあ…


いざ怒られるとなると嫌だわ……



教室から去ろうとすると


「聡さん……!」


小毬が呼ぶ声が聞こえて振り向くと


花の香りと共に…





頬に柔らかいものが押し付けられる。


…………は…?



教室の奥からは冷やかすような声が聞こえるが

この際どうでもいい。



「…失敗してしまいましたわ……


残念です」


「っ…お前なあ……」


「次こそ失敗致しませんわ



聡さんの想いもわかりましたので、手加減は致しません。

覚悟してくださいな」


なんの悪びれもなく言う小毬を撫でて





「お前の方こそ覚悟しとけよ


退院したら覚えとけ」




そう言って俺は小毬の頬にキスをした。