「はあ…はあ……ゲホッ」

「おいおい。大丈夫かよ…

ほら、水」

「……紅茶っす。これ」

「あ、ばれた?」

ワザとらしく間違えるのは、俺らの学園の生徒会長。

木佐遊樹(きさ ゆうき)。

ルックスはかなり良く、それでいて勉強もでき運動もできる、かなりハイスペックな先輩。

遊樹先輩の落とした書類を拾って、修正点に気づいたことにより、生徒会に勧誘された。

そして、現在に至る。

「それで?

書類ってどこっすか?」

「ああ、それね。

……直すとこなんてねえよ。バッチリだ」

「へ?」

あれ?

じゃあ、なんで俺…呼ばれて?

「一つ質問させてくれ。

……あいつは…誰だ?」

「はい?」

「だから、さっき一緒にいた女生徒だよ。

誰だ?」

小毬のことか?

でも…なんで?

なんで、小毬のことを?

も、もしかして……

「ああ、勘違いしないでくれよ?

俺は別にあの女生徒に惚れてるとか惚れたとかそういうのじゃないからな?

ただ、あんな女生徒いたか?って思ってさ」

……そういうこと?

あれ?

なんで、俺……ホッとしてんだよ…

………訳わかんねえ。