――――――誕生日・・・。うわあ~、本当だ~!今日はもう8月1日じゃん!

 急に、別の熱さで顔が赤くなった。

「・・ああ・・・えっと、ありがと」

 うん、と言ってヤツは台所でお茶を飲み、寝る、と言って自室に入っていった。

 そのドアが閉まるパタンという音を聞きながら、私は湯気があがる雑炊を見詰めていた。

 ・・・覚えてたんだ、誕生日。

 それに、この雑炊。

 泣いていたのはバレてるはずだ。でもその理由は聞かず、自分に出来ることで慰めようとしてくれたらしかった。・・・あの面倒臭がり屋が。

 ・・・何だよー、優しいことしてくれちゃって・・・もう。

 口元が緩んだ。また視界が霞んで揺れたけど、でも私は笑顔だった。


 にっこりと笑っていた。