さて。

 私の初恋は6歳のとき、小学1年生で、隣のクラスのユースケ君。

 キラキラと汗を飛ばしてサッカーボールを追いかける彼に6歳の私は一目ぼれした。確かその頃テレビのCMで流れていた、ZARDの「揺れる想い」が頭の中で鳴り響いていた。一人で盛り上がり、これが初恋ね!などと思っていたあの日の小さな私。

 しかし、それは4年生でユースケ君の転校によって終わる。

 中学生時代は毎年好きな人が変わっていたと思う。だって思春期真っ只中。仕方ないわよね。周りでもバレンタインだクリスマスだと、今から考えたら笑っちゃうような規模の小ささで女子たちは大いに盛り上がっていた。

 だけど、毎年変わった、好き(というより憧れのレベル)な男の子たちは名前も覚えてませんっと。

 そして高校。

 男狙いでサッカー部のマネージャーになった友達の懇願によって私も付き合いでマネージャー入部し、彼氏を作るどころか汗と泥でいっぱいのユニフォームにまみれた2年間を過ごす(ちなみに引っ張り込んだ諸悪の根源の友達は3ヶ月で退部した)。

 高校3年でまさかの年下からの告白があったけど、今時珍しい瓶底眼鏡のオタク系だったのでゴメンナサイをし、結局高校3年間は彼氏ナシ。

 今、あのオタクの彼がいい男になってませんように、と切実に願う私だ。

 一度は告白されたんだってだけの事実をちょびっとのプライドに変えて大学へ。

 マンモス化した総合大学では既に肩の力も抜け、思春期特有の無駄な自意識過剰モードからも脱出し、自分のレベルが判った上でそれなりに恋愛を楽しんだ私。

 数々の初体験もこの頃に済ませたけど、燃えるような恋愛には届かず「まだ若いんだし」という、気付いてないだけで期限付きの余裕に身を任せて人生を謳歌していた。