「三番目は、性癖以外はいたってまともな人だったから、残念だった。だけど結婚する前にそれに気付いてほんとラッキーだったと今は思う。結婚してから夜の生活が苦痛で、て離婚するのは恥かしいと思う」
「異常な性癖って何だ?」
私はぶんぶんと首を横にふった。
「ここでは話せない!」
ここはご飯屋だぜ!若干吐き気が襲った。
例え場所がよくてもあの記憶は二度と思い出したくないんだけど。コンクリで固めて更に重石をつけて太平洋の真ん中に沈めたいような恐怖の記憶だ。
ヤツはじいーっと私を見た。
「・・・気になる。だけどまあ、変人から逃げれて良かったな」
「ええ、まったく!」
大げさに頷く。この話題は金輪際にして頂きたい、と思っていると、ヤツは言った。
「その点俺はまだ普通だと思うけど、まあこの話にのったとしたら部屋も別々だし気にすることないよな。ルールはそっちが決めてくれたらそれでいいし」
・・・マジで同居人なんだな。声を潜めて私は身を乗り出した。
「ホモでなくても、女にも興味ないの?」
小さな声にしてあげたのは武士の情けだ。周囲には幸せそうなカップルや家族連ればかりだしな。
途端にうんざりした顔になって、ヤツはため息をつく。そして別に周囲も気にせず普通の声で言った。
「・・・面倒臭いんだ」
よく呼吸するのは面倒臭くならねーな。つい心の中で突っ込んだ。


