鉢植右から3番目



 君と恋愛したいんだって言ってくれてるんだと判った。

 最初のレストランでの、ダレ男との会話が蘇る。

『それで、同居している間に他に好きな人が出来たらどうするの?』

『契約は解消したらいいんじゃないか?』

 そして、喧嘩したあの日曜日の夜。

『本気で言ってんの?』

『もーう、いい!!あんたの子供なんかいらない!他の男捜します!!』


 私は目を見開いたまま、夕日に染まる坂田君の少し緊張した笑顔を見ていた。

 契約解除、出来る・・・その理由になりうる恋愛対象の男が現れた・・・。

 だけど、私は。

 私は――――――――――


「・・・ごめんね、坂田君」

 気がついたら、勝手に言葉が出てしまっていた。

「私、もう結婚してるの。名前は今は、漆原都なの」

 今度は彼が目を見開いて固まった。

 だけどちょっと間をあけて、ゆっくりと私の装飾品のない指に視線を固定する。だから私は鞄のポーチから母から貰ったあの結婚指輪を出して、薬指に嵌めた。

「・・・普段は、外してるの」