君と恋愛したいんだって言ってくれてるんだと判った。
最初のレストランでの、ダレ男との会話が蘇る。
『それで、同居している間に他に好きな人が出来たらどうするの?』
『契約は解消したらいいんじゃないか?』
そして、喧嘩したあの日曜日の夜。
『本気で言ってんの?』
『もーう、いい!!あんたの子供なんかいらない!他の男捜します!!』
私は目を見開いたまま、夕日に染まる坂田君の少し緊張した笑顔を見ていた。
契約解除、出来る・・・その理由になりうる恋愛対象の男が現れた・・・。
だけど、私は。
私は――――――――――
「・・・ごめんね、坂田君」
気がついたら、勝手に言葉が出てしまっていた。
「私、もう結婚してるの。名前は今は、漆原都なの」
今度は彼が目を見開いて固まった。
だけどちょっと間をあけて、ゆっくりと私の装飾品のない指に視線を固定する。だから私は鞄のポーチから母から貰ったあの結婚指輪を出して、薬指に嵌めた。
「・・・普段は、外してるの」


