そんなに昨日のことが気に入らないのかな…

「どうしたの?」

不思議に思いながら近寄ると、

「来い」

腕を掴まれ引っ張られた。

どこにいくのかな?

なんか今日の懸瑠ものすごく怖いかも。

朝はただ不機嫌そうに思っただけだったけど、今は不機嫌ってものを越えてるよ。

………ギィ-。

連れてこられたのは屋上。

なんでここ…?

「あのさ、昨日なんで断ったの?」

「…私好きな人がいるから。だから断ったんだよ」

好きな人って言った瞬間眉間にしわがよった。

《《やばいどうしよう…》》

「昨日はごめん。あんな態度とって」

「平気だよ、気にしてないから」

気にしてないってのは嘘だけどね。

って、好きな人誰か聞かないんだね…

聞かれたら言えそうなんだけど。

「ありがと。じゃあ戻ろ」

「うん」

絶対、せっかくのチャンス逃したよ。

でも、そろそろ戻らないと時間になっちゃいそうだし…

懸瑠も今は信じないだろうな、まさか自分とは思ってないだろうからね。

教室に戻ると移動の準備をしていた。

間に合った。

いよいよが卒業式が始まる…。