ー翌日、卒業式。
ついに卒業か…
この三年間長いようで短かった。
学校に行けば友達との別れを惜しんで泣いたり、思い出話をしていたり。
まぁ、私もその中の一人かな。
彩華と思い出話して懐かしいなって思ってるところなんだ。
卒業式はもう少しで始まる。
この中学校ともお別れかぁ、寂しい。
やっぱ、卒業したくないなぁ…
結局懸瑠に告白する決心つかなかった。
高校生になったら絶対伝えなきゃ!!
彩華も応援してくれてるんだもんね。
「ねぇ、ちょっと那々聞いてる?さっきからぼーっとしてる」
「ごめんごめん、色々考えちゃって」
あ、そうだ…昨日の帰りのこと彩華に話してない。
思い出したわけじゃないけど、頭に浮かんだ!みたいな。
「彩華~、実は昨日屋上に行くとき懸瑠に会って手紙のこと話したの。そしたら機嫌悪くしちゃって」
「懸瑠が!?」
「うん。帰りに断ったこといったら理由聞かれた」
「なんて答えたの?」
「何て言えばいいのかわからなくて黙ってたら余計に機嫌悪くして帰っちゃった」
ほんとあれは意味がわからないよね。
後輩の気持ちに答えてやれってことだったのかな?
「それさ、ヤキモチだよきっと」
「そんなわけないじゃん?あの懸瑠にかぎって」
ヤキモチ…本当なら超嬉しい。
あり得ない話だけどね…
あーぁ、今日は下駄箱で会ったのに目もあわせてくれないし。
気に入らないなら正直に言ってくれるとその方が…
「おい、那々いるか」
自分の名前に反応して教室の前のドアをみると、そこには鋭い目付きをした懸瑠が…

