私が恋する不器用男子


放課後になり私は屋上へと向かった。

実はここに来る前に懸瑠とあって…

手紙のこと話したらすっごい不機嫌そうに「あっそ」っていって帰っちゃった。

告白受け入れると思ってるよね。

懸瑠にはあとでちゃんと説明しよう。

………ギィ―。

錆び付いた扉を開けて屋上に出た。

そこには顔を赤く染めた男の子が断っていた。

「遅くなってごめんね?」

「先輩が来てくれただけで嬉しいです。ありがとうございます」

「平気だよ」

男の子の声が弱々しくて震えていた。

そりゃそうだよね…

今から告白?しようとしてるんだもん、緊張するよね。

「あ、あの佐山先輩…俺入学したときから好きでした。今までに何度も伝えようとしたんですけど勇気が出なくて…」

と言って俯いてしまう男の子。

「でも、先輩が卒業する前にどうしても伝えたかったので。明日になっちゃうと俺悲しみでちゃんと伝えられそうもなくて…」

「ありがとう♪私のこと好きになってくれて!だけど、答えることはできないの。私にはずっと片思いしてる人がいるの」

傷付けちゃうとはわかってる、それを覚悟して私はここに来た。

男の子の気持ちは本当に嬉しい…

だけど、私の好きな人は懸瑠だから。

「そうですか…。俺は先輩を応援します!今日はありがとうございます」

そう言って微笑んだ。

「ありがとう!じゃあね」