卒業式まであと1日。

学校に行くと懸瑠が話しかけてきた。

「佐山に渡してって、これ預かった」

「え?誰から?」

「後輩。中身は俺も知らないからさ」

「後輩?ま、ありがと」

教室に着いてすぐに手紙を開ける。

バスケ部の二年生が書いた手紙だった。

『急に手紙を出してすみません。先輩が卒業してしまう前にどうしても伝えたい事があります。今日の放課後、屋上に来てください』

この内容からすると…告白される!?

でも、私は懸瑠の事が好きだから

傷付けちゃうかもしれないけど、自分の気持ちには正直でいたい。

ちゃんと行って伝えよう。

「那々おはよー!」

「うん、彩華おはよー」

「ん?それどうしたの?もしかしてラブレター!?」

うわっ、隠すの忘れてた!

彩華ってこういうの鋭いんだよね…

「違うから」

「なんだー、期待して損した…」

そんな残念そうにしないでよ…!

「じゃ、みせてー」

スッと取り上げられてしまった。

みられたら困るものじゃないけど、なんか恥かしいからあまりみられたくない。

そんな私をよそに楽しそうに読んでる彩華。

「そろそろ返してよ」

「可愛いじゃんこの子!告白するって決めて手紙くれたんだろうね!明日卒業したら会えないもんね」

なにその目…

明日卒業しても私は懸瑠に会えるもん!

だからそんなに急ぐ必要無いとおもうけど…

「で、那々行くんでしょ?放課後」

「行くよ。好きな人いるって伝える」

「それがいいね」