ぷち遠距離恋愛

コンコン


「おっ ゆい! あ、木実ちゃんもいらっしゃい!」


「私木実ちゃんとデートしてたんだから早くしてよね」


怒った口調だけれど顔がゆるんでいるゆいちゃん。ほんとに好きなんだね、優くんのこと。


「まぁそう言うなって。俺らも今上がるからさ、最後の一曲だけ聞いてって?」


そう言いながら中へ通してくれた優くん。

おじゃまします…


中にはもう1人男の子がいた。


「こんにちは」


爽やかな挨拶をして笑顔を向けてくれたその人。


「えっ」


私はその笑顔に 確かに見覚えがあった。


こんなところで会うなんて…


「木実ちゃんどうかした?」


ゆいちゃんの言葉で我にかえる。


「あっううん!なんもないよ!」


男の子の方は私に気づいた素振りも見せず、椅子の端に寄って席を空けてくれた。


マイクを持つ姿がかっこいい。


この人は私のこと覚えてなかったのかな…


「木実ちゃん、だっけ?そんなに見られてたら俺恥ずかしくて歌えないな〜」



「あっ ごめんなさい…」


私なにやってるんだ… 思わずガン見してしまっていた。


と、イントロが始まる。


曲は今人気のダンス&ボーカルグループの最新曲だった。

私も好きな曲。


優くんと彼が立ち上がり歌い始めた。


うまい…

思わず目を見張った。


綺麗な声…


優くんもうまいけど、もう1人の男の子。

彼の綺麗で切ない歌声に私はひきこまれた。