昔から、背が小さいことで色々苦労した。
 背の順で並ぶと必ず一番前で腰に手をあてる係。
 高所恐怖症なのに組体操では一番上。
 ジェットコースターには背が足りなくて乗れなかった。

 誰かを見下ろしたことなど一度も無い。
 …何故だ…。

 運動オンチは当たり前。
 勉強は中の中。
 手先は不器用。
 出来ることなんて、何もない。

 ひなはそんな日々を5割後悔5割のほほんとしながら過ごしてきた。

 そして今、ひなは高校生になろうとしているのである!!

 「何このプロローグ。面白くない」
 「ゆき!!ひな必死!!必死なの!!」
 「それでは『ひなのにちじょう』お楽しみください」
 「無視!?」