ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




「わっ!なんでいるの?」



ピアノにカバーをして、椅子から立ち上がると2つのドアにある四角い窓からじーっと何にも言わずに8つの目が見つめてくる。



いるなら、普通に入ってくれば良かったのに。



ブルーウィンズのみんなはまさかあたしが弾いてると思っていなかったのか、心底びっくりした表情を浮かべている。



ガチャっと音楽室のドアを開けて入ってくるけどみんなは何も言わない。



「ちょっとみんなどうしたの?



そんなにあたしの弾いた曲下手くそだった?」



自分的には結構うまく弾けたと思ったんだけどな。



どうしよう、ひどい醜態を見せちゃったってこと?



最後に入ってきた湊くんがドアを閉めた。



「先輩、頭おかしいんじゃないんですか?下手だったらとっくに中に入ってどけっ!て言ってます」



……出た出た。いつもの祐くん。



しかも第一声でそれ?