「結愛先輩、歌詞目を通してもらえましたか?」



とあたしの顔を覗きこみながら聞いてくる航平くん。



早く感想を聞きたくて目をキラキラさせている。



こんな中、どうやって今心の中にある言葉を表したらいいんだろ。



だって正直に今の気持ちを言ったら航平くんは絶対傷つくに決まってる。



こんなド素人にいきなりキツイことを言われたら……。



そう思ったら面と向かって言える気がしなくて、あたしは助けを求めることに決めたんだ。



「湊くん!」



「…………」



彼はあたしに視線を向けてくれたが何も話さない。



顔には早く要件を言えって顔をしている。



「ちょっと話があるんだけどいい?」



と言って、あたしは航平くんに「分からないことがあるから湊くんに教えてもらってくるね!」と伝えて



有無を言わさず湊くんの腕を引っ張って、隣の第2音楽準備室に連れ込んだ。