ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




広夢くんの話を聞いた瞬間、心底あたしははずかしくなった。



まず、このブルーウィンズの全員に無防備な寝顔を見せたこと。



次に図書委員の皆さんにご迷惑をかけたこと。



……しばらく図書室には行けないよ。



恥ずかしすぎて、謝りにもいけない。



そして広夢くんに背負ってきてもらったこと。



「何でこんなことしたの?



あたしなんか3人からしたらただの知らない先輩じゃん」



この人たちが何をしたいのかさっぱり分からない。



私自身もどうしてこのバンドは受け入れられたのか分からない……。



「俺たちもよく分からない。でもなんとなく結愛先輩なら湊に



ラブソングを歌う楽しさを知ってもらえる1つのきっかけになるような気がしたから」



「後夜祭の披露の時、あんなに目をキラキラさせながら、



目に涙を浮かべながら泣きそうになりながら俺たちの歌を聴いてくれる人を今までにいなかったから」



と広夢くんと航平くんはそうあたしの目を見て答えてくれた。