ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




はずだった……。



「この間の金曜日どうして音楽室で眠っていたか知りたくないんですか?」



と広夢くんの言葉であたしは教室に戻ろうとした足は完全に止まってしまった。



だってだって!なんでそのことをこの3人は知っているの?



あたしが起きた時には彼らはいなくて、その場にいたのは湊くんだけだったし。



「……知りたかったら結愛先輩も一緒に俺たちと来て下さい!」



にこっと笑いながら歩き出す彼らに



あたしは今日のお昼ごはんはこのグレープフルーツサイダーだけだと確信し



お家から持ってきたサンドイッチにはさよならを告げた。



どうして彼らはあたしに構ってくるのだろうか?



頭をフル回転させても……その理由は出てこない。



あー、ばかにするため??



あたし、一応彼らよりも年上で先輩だよ?!



「はぁ……」



彼らの足が止まった場所は、なんとなく予想していた第2音楽室だった。