「湊はいないけど、見にきてくれてることを信じて



最後までやり通そう!」



「「「オーッ!」」」



あたしたちは幕の向こうにいるたくさんの生徒たちの声を背中に



ステージ上で広夢くんの掛け声で円陣を組んだ。



とうとうクリスマスイベントの日がやってきた。



幕の向こうからは「早く始まらないかな?」「ブルーウィンズ!」という生徒たちのウキウキした声がたくさん聞こえてくる。



そしてみんなは楽器の前に立ってチューニングをして音を出し始めた。



その音を聞いて「キャー!」という黄色い声が体育館中に響き渡る。



あたしはスタンドマイクの前に立って目を瞑って、大きく息を吸って心を落ち着けた。