「なんでこんな時間に……」
と思いながらも音楽室のドアに向かう。
音楽室の前にいたのは美紀だった。
でも近付くたびに思い出したことがある。
それは、あたしがこのバンドに入ったこと。
美紀にはバイトを始めたと誤魔化してたし、美紀はブルーウィンズが当初から好きだから、
もしかしたら抜け駆けしたと思ってるかもしれない。
それでもライブをやった次の日の今日、あたしは一日中考え事ばっかりしてたけど
それでも朝はおはようって言ってくれたし
何もなかったかのようにいつも通りお昼は一緒に食べてくれた。
あたしは音楽室のドアに手を伸ばし、ゆっくりドアを開けた。

