ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




そしてようやくお腹から声が出るようになると、未来にむかってをみんなが弾いてくれて



あたしはそれを何回も歌い続けて、みんなが気になったところをチェックして



また歌って、の繰り返し。



だけど、喉のためにこまめに水分をとりながら歌の練習をする。



いつも通り辺りが真っ暗になる時間まで練習をすると、



祐くんから一枚の紙を渡された。



「……新曲の歌詞を書いた紙。これが最終版です」



その紙にはずらっと並んだ言葉たち。



前見たときに比べて大きくは変わっていないように見えるけど、でもまるで初めてみたような感じがした。



言葉ひとつひとつがずしっと心を打つ。



祐くんの気持ちがいっぱい込められてて、大事にして歌わなくちゃって思った。



湊くんが歌うはずだったこの曲……これをあたしが歌うんだ。