ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




でもメンバーにバレたくないから、顔は上げずに一生懸命演奏してます!



っていう雰囲気を出して最後まで弾き通した。



だけど、1人でもあたしのことを見てくれる誰かがいて欲しかった。



決して褒めてほしいわけじゃない。



自分にはピアノにはブランクはあるし、バンドもこうやって観客のいる中でキーボードを演奏するのも初めてだからだめだめなのも分かってると自覚している。



そう思い始めた自分はファンの人たちに反感を買われることすら忘れていて……。



1曲目を弾き終わった他のメンバーは楽しそうで、スッキリした顔を浮かべてるのに



あたしも一緒にすることができなくて、無理矢理笑顔をつくって振りをするので精一杯。



一息着くと、次の曲に入った。