ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




一生懸命弾くってさっきあいさつで言ったんだから



きちんと弾かないとと思って頑張ってて、自分のパートがない時に生徒たちを見てみたら……。



あたしを見てくれる人なんて誰1人いなくって、



みんな、あたしを抜いた4人をそれぞれ見ていた。



生徒たちはメンバーを見て、かっこいい姿に顔を赤くしていたり、感動して泣きそうになっていたり



メンバーの名前を叫ぶファンもいて



あたしはやっぱりいらないんじゃんって思った。



一度そう思ってしまったら、楽しく弾けなくなっちゃって……



弾いているうちに悲しくて泣きそうになってきた。



まだ自分ではブルーウィンズに入れたことだけでもすごいことなのに、その先も求めてしまっていた欲張りな気持ちに気づけずにいた。