すると、生徒たちから拍手の音が聞こえて、冷たい雰囲気にならなくて良かったとホッとした。
でもちょっと声が震えちゃったな。
それから、ベースを置いて広夢くんがマイクのところに来て
「俺たちのバンドは基本新メンバーは募集してないので、結愛先輩は特例です。
これからまた未来にむかってを演奏しますが、
今度はキーボードの入った新しい感じになってますので期待しててくださいね!」
広夢くんの言葉に対して、生徒たちは「いぇーい!」とノリよく返してきた。
勘弁してよ~広夢くん!
言えないけど表情で訴えると、広夢くんはあたしに軽くウィンクをして元の場所に戻っていった。
演奏する前に、今度はこのバンドの由来の話をし始めていた。

