すると、徐々に隣の音楽室がざわざわしてきて、緊張もいよいよ達してきてそわそわしていると
--ガチャ
とドアが開いた。
「おい……その引き攣った顔、さっきどうにかしろって言ったよな?」
と言って入ってきたのは湊くん。
……やばい。
あたしの表情、全然変わってないんだ。
でも普通に考えたらさ、こんな短い時間で変わるわけないじゃん。
だけどそんなことやっぱり湊くんには言えるわけもなく、精一杯強がって言ってみた。
「別に、緊張なんかしてないもん!
顔だって引き攣ってないもん!」
そう言って頑張って笑顔を浮かべてみる。

