放課後。
今日も授業を座ってちゃんと受けてたのに、全然受けた気がしなかった。
準備で行った昼休みも常に指を動かして今日披露する曲の練習をしたり、
どうやって見に来てくれた生徒にあいさつしようかとかそんなことを考えてたら
あっという間にこの時間になってしまった。
音楽室に入ると、楽器はもう用意されていて、先に来ていた広夢くんと航平くんと祐くんはそれぞれチューニングをして準備をしていた。
あー!やっぱ無理!
と思って、後ろを振り向いて逃げようとしたら
後ろにはちょうど来た湊くんがいて
「どこ行くわけ?逃げるとか絶対許さないから。
ほら、来いよ」
と言って、湊くんは音楽室のドアを開けてあたしを押し込んだ。

