何て答えよう。
ずっと黙ってるわけにいかないし。
でもこんな状況で……
ボリューム上げ忘れてて、自分の音が聞こえなくてめちゃくちゃに弾いてました
なんて言えるわけないし。
すると、しびれを切らした湊くんはズカズカこっちに向かって歩いてきて
キーボードのボリュームのボタンを何度も押して最大にした。
「……誰もお前に完璧な演奏なんて期待してねぇよ!
失敗を心配してるヤツが上手くなるわけねぇんだから,
その気持ちは今すぐ捨てろ。
それから、今日から結愛は俺と部活が終わった後特訓するから帰らせねぇからな」
……終わりました。
口が裂けても「嫌だ」なんて言えない。

