ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




それから自分の世界に入っていた間も彼らの曲は続いていて



広夢くんが最後に『生徒会主催イベントで新曲発表するのでお楽しみにー!』と予告すると今日のライブは終わったんだ。



終わるとゾロゾロと音楽室のドアから出ていくあたし以外の人たち。



その中には『新曲ってもしかしてラブソングかな?』『誰が今回作ってるんだろ?』という話し声が聞こえてきて



あたしは黙って聞いていたけど、その答えを知っている自分がやっぱり特別なんだと感じて嬉しくなった。



人が退くのをブルーウィンズのみんなは『来てくれてありがとう』という感謝の言葉を言いながら見届けていて



最後の一人が出ていった時、航平くんが第二音楽室のドアを閉めた。



「先輩、2週間もここにこないなんてサボりすぎです」



「いくら先輩でもペナルティーは必要だよね?航平?」



「ペナルティーか。湊、何にするの?」



やばい、この状況はかなりやばい。