ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




1曲目が終わると、音楽室は拍手に包まれた。



もしかしたら周りの人たちは分からないかもしれないけど……



最後のフレーズがいつもと違った。



この一週間で考えて変えたのかな?



あれは、あたしのために歌詞を変えてくれたのかもしれない。



そしてあたしは音楽室の反対側にあるグランドピアノに目を向けた。



もう過去に怯える必要なんてどこにもないよね。



未来にむかって歩いて行こう、僕たちと一緒にって歌ってくれた彼らを信じていいんだよね。



また過去の記憶を思い出して怖くなって逃げ出したくなったとしてもこうやって一緒に乗り越えてくれるよね。



あたしはそう心の中で何度か呟いた。