音楽室に入って人があまり密集してないはじっこを見つけると、あたしはそこを選んだ。
あいさつが終わり、初めの曲に入る前に、湊くんはキョロキョロと周りを見回していて
何か問題でも起きたのかなと思っていると、こっちを見て一瞬だけ止まった。
そしてすぐに視線を逸らすと、祐くんの方に振り向いていた。
今日は何の曲から始めるんだろうと思いながらわくわくしていると、祐くんがドラムのバチを叩き出した。
この曲……。
「未来にむかって、だ」
さあ、新しい世界に向かって走り出そう
不安や心配、そんなつまらないものは
全部この青い空に向かって
おもいっきり投げ捨てて忘れればいい
今まで歩いてきた道は
自分の大切なものには変わらないけど
3年後の卒業する時に思い出すことにして
今日からは新しいことと自分の目標で
全部、全部を埋め尽くすんだ
時にはプラスの思いだけではやってはいけなくなって
壁にぶつかって立ち止まりたくなる日が
必ずいつかやってくる
だけど僕らは迷ったとしても
決してその世界の中には入って
自分に負けたりしない
さあ、新しい世界に向かって走り出そう
楽しいこと、やりたいこと
全部この青い空に向かって
おもいっきり叫んで
『辛くたって、苦しくたってそれは必ず過去になる
だから、未来にむかって歩いて行こう、僕たちと一緒に』

