ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~




―――…。



放課後。



「結愛!今日はブルーウィンズのライブの日だよ!



こういう時こそあの4人から元気もらおうよ、ねっ?」



帰りのホームルームが終わると、風のように美紀があたしのところに走ってきた。



美紀が誘ってきてくれたことはうれしい。



でもあたしはまだあの4人に顔を合わせられない。



あたしは首を横に振って、『ごめん、今日は帰るね』と言った。



「分かった、また今度一緒に見に行こう!」



いつもだったらもっと粘ってくるのに、この状況のあたしを見て素直に美紀は諦めてくれた。



淋しそうな美紀の背中に『ごめんね』と謝りながら、あたしはバッグを肩に背負って教室を出たんだ。