ミスする前の楽章から弾き始めて、またあの部分のところまでやってきた。



だけど……またミスした部分が来た時どうしても指がうまく動かなくて、違うところを押してしまった。



すると、先生は舌打ちをして『ストップ!ストップ!』と言ってあたしを止めた。



「何回同じことをやるつもりよ!この指!この指がいけないのよ!



なんでこっちの指で弾かないのよ!」



先生はあたしの間違えた指をぎゅっと握って、指を指しながらそう言った。



でもあたしはそんなお説教を聞くのもうんざりで抵抗するように先生を見た。



「何よ、その目は!



なんで結愛ちゃんは先生の言うことが聞けないのよ!」



そう言った先生は手を大きく振り上げてあたしの右頬を思いっきり叩いたんだ。