「大したことじゃないけど、毎日ここでみんなの聴いてて
学校で散々聴いたのに、家でもまたデモテープで聴いたりしてたら
耳に音が残ってて、試しに弾けるかな?と思って弾いてみたら
なんか……弾けちゃったんだよね」
『えへへ』と笑いながら答えると、4人から真顔の視線が向けられる。
「「…………」」
彼らは何にも言ってくれなかった。
やっぱり信じてもらえなかった。
4人みんな、口には出さないけどコイツ何言ってんのって顔して、あたしを見てくるし。
湊くんと祐くんに信じてもらえなくて、せめて優しい広夢くんと航平くんは信じてくれると思ったんだけどな。
でも、何にも言ってくれないんだったら証拠を見せれば……
メモしたわけだからさっきとまるっきり同じには弾けないけれど、
やればきっと分かってくれる……はず。

