「祐!素直に凄かったって言えばいいだろ?
結愛先輩、今の俺たちの未来にむかって弾いてたんですよね?」
広夢くんは祐くんにそう言ってから、私に聞いてきた。
……良かった。やっぱりちゃんと作った人たちが分かるくらいの形になってたんだ。
「そうだよ。みんないなくて暇だったから、一応ピアノやってたから久しぶりに弾いてみたんだ!」
「結愛先輩ピアノ弾けたんですね!早く言って下さいよ!」
「先輩が良いならぜひ俺たちのバンドのメンバーになってください」
え?もしかしてそれってキーボード?
にこにこしながら航平くんはそう言ってくれるけど、あんな耳を頼りに弾いてた人ができっこない。
未だに美紀にもブルーウィンズのお手伝いしてること言えてないし。
しかも、それだけじゃない。あたしはあの時にもうピアノは二度とやらないって決めたんだ。

