今日は入寮日で、五日後にはこの学校の生徒になる。初等部から高等部までずっとエスカレーター式のこの学校では、私たちみたいに高等部から入学する人間は珍しいらしいが…、


 けど、それでいい。知り合いが一人もいないこの学校で、私は新たなスタートを切ると決めたのだから。



「友達できっかなー?」

「………。」

「ぁ…〝男友達〟…できっかな?」

「…さあ、風太がいれば別にいい。」



 冷たく言い放つと、風太は罰が悪そうに黙り込んだ。


 悪気はないのは分かってるし、その後のフォローも私に気を遣ってのことだということは百も承知だけれど、


 トモダチとかって類の言葉を投げられると、どうしても心が痛んでしまうのだった。