「…ねえ、B組の、香坂美景って、知ってる?」


 放課後、風太を交えて、風太のクラスメイトを含んだ三、四人で、今日も恒例、部活前の座談会。


 僕から突然飛び出てきたその言葉に、場が一瞬凍りついた気配がした。


「…え?香坂美景?知ってるけど…なんで?」

「おいおい、あの冷酷冷淡で女嫌いな垂水おとーとにも、ついに春がやって来たのか…!?」

「確かに超絶可愛いもんなぁ、流石のお前でも美景ちゃんには…」

「見当違いもいいとこだからちょっと黙ってくれないかな。」

「…はい」