『生も死も。私は自由にコントロールできる』

案の定始まったのは、ナルシストの独り善がりだった。

『私は命を自由に操る神と自負しているし、究極の生命を作るべく人体実験を重ねていた。何が悪い?これまでの歴史の中で、人体実験こそが医学を発展させてきたのだ。麻酔を見ろ、嘗ては酒で泥酔させるという乱暴な手段を用いていたのだぞ』

そしてアンドレイの考えは、徐々に変化を遂げる。

命を自由に操る神である自身こそが、医学界の至宝。

そんな自身を失う事こそが、医学界、ひいては人類の多大なる損失。

『私の研究してきた究極の生命とは、私自身に使う事こそが相応しい。いつまでも生き永らえる事で、より多くの難病患者を救ってやる事が出来る。私こそが、死ぬべきではない人間なのだ』